この記事の目次(5項目)
結論:第一次検定は受ける、第二次検定の実務年数が変わる
1級建築士が建築施工管理技士を取るときに、よく誤解されるのが「建築士なら第一次検定は免除」という点です。建設業振興基金の案内では、1級第一次検定の受検資格は「試験実施年度に満19歳以上となる者」とだけ定められ、建築士資格による免除の規定はありません。2級第一次検定も同じで、満17歳以上であることが要件です。
一方で、第二次検定の受検資格には、建築種目だけに「1級建築士試験合格後」から始まるルートがあります。国土交通省の制度資料(別添2)には、1級第二次検定は「1級建築士試験合格後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上」と書かれています。2級第二次検定は「1級建築士試験合格後、実務経験1年」です。建築士の人にとって意味があるのはこの部分です。
「試験合格」で見る:免許の有無ではない
このルートの起点は「1級建築士試験合格後」です。建築士法第4条第2項では、一級建築士の免許は試験に合格した者であって、所定の建築実務の経験を持つ者でなければ受けられないとされています。試験に合格しても免許登録前の人はいますが、施工管理技術検定の受検資格は試験合格の時点から実務経験を数えます。
建築士法第2条第2項の一級建築士は「国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者」です。設計・工事監理の資格と、施工管理技術検定が判定する「施工技術」の資格は別の制度です。建設業法第27条は、第一次検定で施工技術の基礎となる知識と能力を、第二次検定で技術上の管理と指導監督の知識と能力を判定すると定めています。
ルートの比較:1級一次合格後と1級建築士試験合格後
1級第二次検定の受検資格は、1級第一次検定の合格後に実務経験5年以上、特定実務経験1年以上を含む3年以上、または監理技術者補佐として1年以上です。1級建築士試験の合格後も、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上で、年数の考え方は同じです。違いは起点で、建築士試験の合格時点から数えられる点にあります。
2級第二次検定では差が大きくなります。2級第一次検定の合格後は実務経験3年以上ですが、1級建築士試験の合格後は実務経験1年です。1級第一次検定の合格後も1年以上なので、建築士の人は1級一次に合格したうえで2級二次を1年で受ける道と、1級二次を目指す道の両方を考えられます。
| 受けたい検定 | 起点 | 必要な実務経験 |
|---|---|---|
| 1級 第二次検定 | 1級第一次検定の合格後 | 5年以上/特定実務経験1年以上を含む3年以上/監理技術者補佐1年以上 |
| 1級 第二次検定 | 1級建築士試験の合格後 | 5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上 |
| 2級 第二次検定 | 2級第一次検定の合格後 | 3年以上 |
| 2級 第二次検定 | 1級第一次検定の合格後 | 1年以上 |
| 2級 第二次検定 | 1級建築士試験の合格後 | 1年 |
建築士が受ける第一次検定の注意点
1級第一次検定は、令和8年度は7月19日(日)に実施され、手数料は12,300円(非課税)でした。実務経験の要件をまだ満たしていない人は「第一次検定のみ」で申請し、この区分はインターネット申請だけです。「第一次検定のみ」で合格すると、同じ年度の第二次検定は受けられません。実務年数を満たしている人は「第一次・第二次検定」で申請するかを先に決めてください。
施工管理技術検定は現場の施工管理を判定する試験で、建築士試験の構造・法規・計画とは問われ方が違います。1級第一次検定には施工管理法(応用能力)10問中6問以上という足切り(令和8年度の確定基準)があり、全体で60%を取っても応用能力が足りなければ不合格です。設計や監理の経験が長い人ほど、仮設・工程・安全・品質の実務的な問いを先に確かめる必要があります。
次の一歩:判定ツールに建築士試験の合格を入れて確かめる
当サイトの受検資格の判定ツールは、1級建築士試験の合格の有無を選べる建築版です。合格年と実務経験を入れると、1級二次・2級二次をいつ受けられるかを整理できます。第一次検定の準備は、応用能力3問を含む建築1級向けの10問診断(登録不要)から始めてください。問題はオリジナルで一次資料へのリンク付き、外部の監修は受けていません。
1級建築士なら1級第一次検定を受けずに第二次検定を受けられますか?
受けられません。1級建築士試験の合格は第二次検定の実務経験ルートの起点になるだけで、第一次検定の免除にはなりません。第一次検定に合格してから第二次検定に進みます。
2級建築士でも同じルートを使えますか?
国土交通省の制度資料に書かれているのは「1級建築士試験合格後」のルートだけです。2級建築士の人は、第一次検定の合格後の実務経験で第二次検定の受検資格を満たすことになります。
設計事務所での実務は、施工管理技術検定の実務経験に入りますか?
実務経験として認められる工事や立場は、建設業振興基金の受検の手引に定められています。設計・監理の業務がどう扱われるかは、年度の手引で確認してください。この記事では断定していません。