この記事の目次(5項目)
結論:1級一次合格後3年、2級一次合格後5年で要件を満たせる
建設業許可の営業所技術者は、学歴と実務経験で要件を満たす方法があります。建設業法第7条第2号では、指定学科を修めた大学卒なら3年以上、高校卒なら5年以上、それ以外は10年以上の実務経験が必要です。
国交省は令和5年5月12日に省令を公布し、令和5年7月1日から技術検定の第一次検定合格者をこの学歴区分に当てはめました。1級の一次合格者は大学の指定学科卒、2級の一次合格者は高校の指定学科卒と同等です。つまり、技士補の称号があれば実務経験10年を待たずに済みます。
図のとおり、一次合格者の年数は指定学科卒と同じで、数え始めは合格後です。土木施工管理の一次合格は「土木工学」の学科と同等に扱われます。学校で土木を学んでいない社員ほど、短縮の効果が大きくなります。
1級と2級のどちらを先に受けさせるかも、年数で比べられます。2級一次は17歳以上で受けられますが、合格後5年が必要です。1級一次は19歳以上からですが、合格後3年で足ります。高卒で入社した社員の多くは入社1年目の年度末に19歳になるため、1年目から1級一次を受けられ、合格すれば要件がそろう時期は早くなる計算です。
使えない業種:指定建設業7業種と電気通信工事業
この扱いには対象外の業種があります。国交省の資料では、指定建設業と電気通信工事業が除かれています。指定建設業は建設業法施行令第5条の2で、土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種と定められています。土木一式の許可には、この方法は使えません。
土木施工管理の一次合格が効く業種
建設業法施行規則第1条の表は、業種ごとに指定学科を決めています。このうち「土木工学」が入っている業種から、指定建設業を除いたものが、土木施工管理の一次合格で短縮を使える業種の目安です。
図のとおり、とび・土工や解体、しゅんせつ、水道施設など、土木系の専門工事業者が持つことの多い業種が並びます。個別の許可申請で何を確認書類にするかは、許可行政庁(都道府県・地方整備局)の手引で確認してください。
たとえば、とび・土工工事業の許可を持つ会社で、営業所技術者が一人しかいない場合を考えます。その人が退職すると、許可の要件を保てなくなるおそれがあります。普通科卒の若手が1級一次に合格すれば、合格後3年で後任の候補になります。10年を待つ場合と比べて、計画を立てやすくなります。
主任技術者にも同じ扱い、名称は営業所技術者へ
国交省の資料では、特定建設業許可の営業所技術者の要件や、建設工事に置く主任技術者・監理技術者も同様の扱いとされています(いずれも指定建設業は除く)。現場に置く技術者を確保する意味でも、一次合格は使えます。特定建設業では実務経験のほかの要件もあるため、許可行政庁の手引で確認してください。
なお、令和6年12月13日に施行された建設業法の改正で、これまでの専任技術者は法令上「営業所技術者」(特定建設業は「特定営業所技術者」)と呼ばれるようになりました。名称が変わっても、学歴と実務経験年数による要件(建設業法第7条第2号)は同じです。
会社としての使い方:誰にいつ一次を受けさせるか
要件がそろう時期は、合格した日から数えます。令和8年度の実績で見ると、1級一次は7月5日試験・8月13日発表、2級一次は前期6月7日試験・7月7日発表、後期10月25日試験・12月2日発表でした。2027年度の日程は2026年10月25日時点で公表されていません。
| 社員の例 | 受ける検定 | 合格後に必要な実務経験 | 年齢の条件 |
|---|---|---|---|
| 入社2年目・20歳 | 1級第一次検定 | 3年 | 19歳以上(受検年度末) |
| 高卒1年目・18歳 | 2級第一次検定(年度末に19歳なら1級一次も可) | 5年(1級一次なら3年) | 17歳以上(1級は19歳以上・受検年度末) |
| 普通科卒・実務2年・24歳 | 1級第一次検定 | 3年(実務10年を待つより早い) | 19歳以上 |
| 土木一式の許可のため | 対象外 | 指定学科・資格など別の方法で | ― |
社内で先に決めておくのは、対象にする業種、候補者の名前、受ける年度の3つです。あわせて、合格後に従事した工事の名前と期間を最初から記録しておくと、許可の申請や変更の届出のときに慌てずに済みます。
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2級技士補になれば、経審の技術職員の点は上がりますか?
上がりません。経審の技術職員区分に2級技士補はありません。1級技士補が4点(監理技術者補佐)になるのも、主任技術者の要件を満たす場合に限られます。
営業所技術者という名前はいつから使われていますか?
令和6年12月13日に施行された建設業法の改正からです。それまでは専任技術者と呼ばれていました。学歴と実務経験年数による要件は変わっていません。
一次合格の前に積んだ実務経験も数えられますか?
国交省の資料では、一次合格者の年数は「合格後3年」「合格後5年」と示されています。合格前の経験の扱いは、許可行政庁の手引で確認してください。



