「1級技士補=4点」は条件付き
経審の技術職員数値(Z1)では、技術職員を資格や経験で区分し、1人ごとに点数を付けます。令和3年4月1日から、「監理技術者補佐」が新たに4点の区分として加わりました。1級技士補という称号が令和3年度の検定から始まったことに合わせた改正です。
ここで誤解されやすいのが、「1級一次に受かれば4点」という理解です。監理技術者補佐として4点になるのは、1級技士補であって、かつ主任技術者の要件を満たす者です。1級技士補であるだけでは該当しません。たとえば、19歳で1級一次に合格したばかりの若手は、主任技術者の要件(資格または実務経験)をまだ満たしていないため、この区分には入りません。
主任技術者の要件(ア)〜(エ)
関東地方整備局の資料では、主任技術者の要件を4つに整理しています。(ア)1級施工管理技士・1級建築士・技術士などの1級国家資格、(イ)2級施工管理技士・2級建築士などの2級国家資格、(ウ)大卒(指定学科)で3年以上、高卒(指定学科)で5年以上、または10年以上の実務経験、(エ)検定種目に係る1級の第一次または第二次検定の合格後3年以上の実務経験(2級合格者は5年)です。ただし同じ資料に、指定建設業(土木一式、建築一式、舗装、鋼構造物、管、電気、造園)および電気通信工事業は「引き続き(ウ)実務経験者①が必要」と明記されています。つまり(エ)は、この8業種以外の建設業にだけ適用される緩和です。
土木会社で現実的なのは(イ)の組合せです。2級土木施工管理技士(二次合格)の人が1級一次に合格すると、1級技士補かつ2級国家資格者となり、監理技術者補佐の要件を満たします。一方、土木一式で申請するなら、1級一次合格+3年の実務経験では(エ)に当たりません。土木一式は指定建設業なので、(ア)1級資格、(イ)2級資格、(ウ)指定学科卒+実務経験(大卒3年・高卒5年)または実務10年のいずれかが必要です。(エ)が使えるのは、とび土工・解体・しゅんせつなど指定建設業と電気通信以外の業種で申請する場合に限られます。
| 主任技術者要件 | 内容 | 1級技士補と組み合わせたときの扱い |
|---|---|---|
| (ア)1級国家資格 | 1級施工管理技士、1級建築士、技術士 | 通常は5点(1級技術者)または6点の区分になる |
| (イ)2級国家資格 | 2級施工管理技士、2級建築士など | 1級技士補+2級技士で監理技術者補佐(4点) |
| (ウ)学歴+実務経験 | 大卒(指定学科)3年、高卒(指定学科)5年、または実務10年 | 1級技士補+この実務経験で監理技術者補佐(4点) |
| (エ)検定合格後の実務経験 | 1級一次・二次合格後3年以上(2級は5年) | 指定建設業(土木一式・建築一式・舗装・鋼構造物・管・電気・造園)と電気通信は適用外。それ以外の業種なら1級技士補+合格後3年で監理技術者補佐(4点) |
2級技士補には区分がない
2級第一次検定に合格すると2級技士補の称号が得られますが、経審の技術職員区分には2級技士補のための区分がありません。2級技術者(2点)になるのは、2級の第二次検定に合格した2級施工管理技士です。2級技士補だけでは、経審の技術職員数値は上がりません。
ただし、2級技士補は2級二次の受検に進む前提になり、2級二次に合格すれば2級技術者(2点)に進みます。会社として見ると、2級技士補は「点になる手前の段階」と位置づけるのが正確です。
対象業種と申請時の確認資料
監理技術者補佐として申請できる業種は、1級○○施工管理技士で5点加点される業種に対応します。1級土木施工管理技士補なら、土木一式・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設・解体などです。1級電気通信工事施工管理技士補は申請できる業種がありません。
申請時には、1級第一次検定の合格を証明する書面の写し(合格証明書や合格通知書)に加え、主任技術者要件を満たしていることが分かる資料を提出します。2級の合格証明書の写しや、実務経験証明書(建設業法施行規則様式第9号)の写しなどです。実務経験で証明する場合は、指定学科の確認のため卒業証明書の写しも必要になります。
会社として何を確認すればよいか
まず、自社の1級技士補のうち、誰が主任技術者の要件を満たしているかを一覧にします。2級施工管理技士を持っているか、指定学科卒で所定の実務経験があるか、実務経験が10年以上あるかを確認するだけで、4点に該当する人が見えてきます。土木一式・舗装・鋼構造物など指定建設業で申請する場合、「1級一次合格から3年」(エ)は使えないので、この条件で数えないよう注意してください。該当しない若手は、2級二次や実務経験の積み上げで要件を満たす道筋を考えます。
当サイトの経審 技術職員数値シミュレーターでは、技術職員の資格・経験を入れると区分と点数の目安を表示します。P点は計算しません。実際の審査は申請先の許可行政庁の判断によるため、提出前に申請の手引で確認してください。
なお、この記事は関東地方整備局と近畿地方整備局が公表している資料をもとにしています。許可行政庁ごとに申請の手引の記載は異なる場合があるため、自社が申請する行政庁の資料で区分とコードを確認してください。
1級一次に合格したばかりの19歳は、経審で何点になりますか?
主任技術者の要件を満たしていなければ、監理技術者補佐(4点)には該当しません。実務経験による主任技術者(1点)に該当するかどうかも含め、要件を個別に確認する必要があります。
土木一式で申請する場合、1級一次合格後3年の実務経験で4点になりますか?
なりません。土木一式は指定建設業なので、(エ)1級一次合格後3年の実務経験は適用されません。(ア)1級資格、(イ)2級資格、(ウ)指定学科卒+実務経験(大卒3年・高卒5年)または実務10年のいずれかで主任技術者の要件を満たす必要があります。
1級技士補が2級施工管理技士でもある場合、2点と4点のどちらで申請しますか?
監理技術者補佐の要件(1級技士補かつ2級国家資格)を満たすため、該当業種では4点の区分で申請できます。対応業種は1級○○施工管理技士で5点加点される業種に限られます。
1級技士補が1級二次に合格したらどうなりますか?
1級施工管理技士となり、1級技術者(5点)の区分に移ります。監理技術者資格者証の交付を受け講習を受講すれば6点の区分です。