施工計画が応用能力で問われる形
施工計画の分野は、仮設工事計画や建設機械の選定のような「考え方」の問題と、施工体制台帳や届出のような「法令の数値」の問題が混ざっています。令和8年度の応用能力では、仮設工事計画、建設機械選定、施工体制台帳、原価管理がテーマに含まれていました。考え方の問題は対になる言葉の取り違え、法令の問題は金額や日数の改変に注意して読みます。
施工体制台帳:いつ、誰が、いくらから
建設業法24条の8第1項は、特定建設業者が発注者から直接建設工事を請け負った場合に、下請契約の請負代金の額(2以上あるときは総額)が政令で定める金額以上になるとき、施工体制台帳を作成して工事現場ごとに備え置くことを求めています。政令で定める金額は、施行令7条の4で5,000万円、建築一式工事では8,000万円です。
同条2項では、下請負人がさらに他の業者に請け負わせたときに、特定建設業者へ通知する義務を定めています。3項は発注者から請求があったときの閲覧、4項は各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事現場の見やすい場所に掲げることです。記述では「下請負人が作成する」「事務所に備え置く」のように、主語や場所を変えた誤りが作られやすい箇所です。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 作成者 | 発注者から直接請け負った特定建設業者 | 建設業法24条の8第1項 |
| 金額の基準 | 下請契約の請負代金総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上) | 施行令7条の4 |
| 備え置く場所 | 工事現場ごと | 建設業法24条の8第1項 |
| 施工体系図 | 工事現場の見やすい場所に掲げる | 建設業法24条の8第4項 |
| 下請負人の義務 | 再下請の内容・工期等を特定建設業者に通知 | 建設業法24条の8第2項 |
計画の届出:30日前と14日前の区別
労働安全衛生法88条は、仕事の規模に応じて届出先と期限を分けています。1項は、厚生労働省令で定める機械等を設置・移転・主要構造部分を変更しようとするとき、工事開始の30日前までに労働基準監督署長へ届け出ることです。2項は、建設業のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事を、仕事開始の30日前までに厚生労働大臣へ届け出ることです。
3項は、建設業その他政令で定める業種の仕事のうち厚生労働省令で定めるものを、仕事開始の14日前までに労働基準監督署長へ届け出ることです。4項では、届出に係る計画の作成に、厚生労働省令で定める資格を有する者を参画させることを求めています。「30日前・厚生労働大臣」「14日前・労働基準監督署長」の組合せを入れ替えた記述に注意が必要です。
仮設工事計画と建設機械の選定:考え方の問題
仮設工事は、本工事の施工のために一時的に設ける設備や構造物で、工事完了後は撤去されます。仮設計画では、本工事の工程に合わせた設置・撤去の時期、繰り返し使う部材の転用、安全性と経済性の両立が検討の軸です。仮設には、発注者が仕様を指定する「指定仮設」と、請負者の裁量に委ねられる「任意仮設」があり、どちらに該当するかで変更時の扱いが変わります。この区別は記述の正誤判定でよく使われます。
建設機械の選定では、工事の種類・規模、土質、作業場所の広さ、運搬距離、工期などの条件から、機種と台数、組合せを決めます。主作業の機械と従作業の機械の能力を合わせること、作業量の多い機械に合わせて他の機械の台数を決めることが基本です。「大型機械ほど経済的」のように条件を無視した断定は、誤りの記述として作られやすい表現です。
原価管理:施工計画との関係
原価管理は、実行予算を基準に、実際にかかった原価(実績)を集計して比べ、差が出た原因を分析して対策をとる活動です。工程管理と同じく、計画→実施→確認→処置の流れで行います。原価管理は施工計画で立てた実行予算が出発点になるため、施工計画の良し悪しが原価に直結します。記述では「原価管理は工事完了後に行う」のように、時期をずらした誤りに注意します。
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施工体制台帳は下請契約が1件なら不要ですか?
件数ではなく金額で判断します。下請契約が1件でも、その請負代金が5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)であれば作成義務があります。2件以上あるときはその総額で判断します。
安衛法88条の届出で「30日前」と「14日前」はどう区別しますか?
厚生労働大臣への届出(特に大規模な仕事)と機械等の設置等の届出は30日前まで、労働基準監督署長への仕事の届出(3項)は14日前までです。届出先と期限をセットで覚えてください。
金額の基準は最近変わりましたか?
建設業法施行令は令和7年に改正され、施工体制台帳・特定建設業の金額は5,000万円(建築一式8,000万円)、専任は4,500万円(建築一式9,000万円)になっています。古い教材の金額のままになっていないか確認してください。