この記事の目次(5項目)
  1. 足切りとは何か:2つの合格条件を同時に満たす仕組み
  2. 応用能力15問はどんな問題か
  3. 全体点と応用能力の関係を数字で見る
  4. どこから手を付けるか:必須→応用能力→選択の順
  5. 足切りのリスクを先に知っておく

足切りとは何か:2つの合格条件を同時に満たす仕組み

1級土木の第一次検定は、午前の問題A(No.1〜66のうち35問を解答)と午後の問題B(No.1〜35の全問必須)で構成されます。合計70問のうち42問以上の正解が1つ目の条件です。2つ目の条件が、問題B No.21〜35「施工管理法(応用能力)」15問のうち9問以上の正解です。この2つを同時に満たして合格となります。

つまり、全体で50問正解していても、応用能力が8問なら不合格です。逆に応用能力が12問正解でも、全体が41問なら不合格です。片方だけ強くても通らない設計なので、受検者の間では応用能力の基準が「足切り」と呼ばれています。令和8年度は受検50,012人に対して合格24,927人、合格率49.8%でした(jctc公表)。

応用能力15問はどんな問題か

応用能力の15問は、四肢択一であることは他の問題と同じですが、聞き方が違います。令和8年度の公表問題では、「適当なものの数はいくつか」と数を数えさせる形式、「適当なもののみを全てあげている組合せ」を選ぶ形式、文章の空欄(イ)〜(ニ)に入る語句の組合せを選ぶ形式の3つが使われています。

どの形式も、4つの記述すべての正誤を判断しないと答えが確定しません。1つだけ知っている記述があっても、残りがあやふやなら正答にたどり着けない。この「全部わからないと点にならない」性質が、応用能力の得点を伸びにくくしています。令和8年度の出題テーマには、仮設工事計画、建設機械の選定、施工体制台帳、原価管理、工程表の種類、車両系建設機械の災害防止、移動式クレーン、埋設物・架空線近接工事、労働者の健康管理が含まれています(No.21〜31で確認。No.32〜35は未確認)。

全体点と応用能力の関係を数字で見る

ケース全体正解数応用能力正解数判定
A48問10問合格
B50問8問不合格(応用能力不足)
C41問12問不合格(全体不足)
D42問9問合格(両方ぎりぎり)

表のBが、前回不合格だった方に多いパターンです。知識問題は取れているのに、応用能力で1問足りない。応用能力は必須40問の中に含まれているので、ここを落とすと全体点も同時に下がります。応用能力で9問取ることは、足切りを避けるだけでなく、全体42問の達成にもそのまま効きます。

どこから手を付けるか:必須→応用能力→選択の順

時間が限られているなら、順番はシンプルです。まず問題B No.1〜20の施工管理法等(必須20問)と、問題A No.1〜5の必須5問を固めます。次に応用能力15問の出題テーマを一次資料(労働安全衛生規則、建設業法、国交省の基準類)で確認し、記述単位で正誤を判断できる状態にします。選択問題は、自分の得意分野を決めて最後に積み上げます。

応用能力の対策で効くのは、過去問を「正解の記号」で覚えないことです。4つの記述それぞれについて「どこが違うか」を条文や基準の数値で説明できるようにしておくと、形式が変わっても対応できます。たとえば「高さ2m以上で作業床を設ける」「下請総額5,000万円以上で施工体制台帳」のように、数値を根拠ごと押さえるのが近道です。

足切りのリスクを先に知っておく

応用能力の出来は、本番までわかりにくいのが厄介なところです。知識問題と違って「なんとなく解ける」感覚が当てになりません。模擬的に15問を解いて、9問を安定して超えているか、ぎりぎりで揺れているかを早い段階で確認しておくと、残り時間の配分を決めやすくなります。

確認の目安は、15問を解いて11問以上なら余裕あり、9〜10問なら揺れる可能性あり、8問以下なら足切りの危険が高い、という3段階で十分です。試験は7月上旬(令和8年度は7月5日)なので、春の時点で8問以下なら、選択問題に手を広げる前に応用能力のテーマを一次資料で読み直す時間を先に確保してください。

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応用能力で9問取れていれば、全体42問に届かなくても合格になりますか?

なりません。全体42問以上と応用能力9問以上の両方を満たす必要があります。どちらか一方だけでは不合格です。

応用能力の15問は選択問題ですか?

いいえ。午後の問題B No.1〜35は全問必須で、No.21〜35の応用能力15問もすべて解答します。選べない分、取りこぼしがそのまま響きます。

令和8年度の応用能力の正答は公表されていますか?

全国建設研修センターが試験問題と正答肢を公表しています。問題文の転載はしませんが、分野と形式の確認には公表資料を使ってください。