この記事の目次(5項目)
3形式に共通する性質:部分点がない
応用能力の15問は、知識問題と同じ四肢択一です。しかし、1つの正しい記述を見つければ終わる知識問題と違い、3形式のどれも4つの記述や空欄をすべて判断して初めて答えが決まります。1つあやふやな記述があるだけで、正答の確率は一気に下がります。
この性質を踏まえると、応用能力の勉強は「問題を解けるようにする」よりも「記述を1本ずつ正誤判定できるようにする」ことに置き換えた方が進みます。令和8年度のテーマ(仮設工事計画、建設機械選定、施工体制台帳、原価管理、工程表、車両系建設機械、移動式クレーン、埋設物・架空線近接、健康管理など)について、記述の「どこが違うか」を根拠つきで言えるかが問われています。
形式1:適当なものの数はいくつか
4つの記述が並び、正しいものがいくつあるかを「1つ/2つ/3つ/4つ」から選ぶ形式です。消去法が使えないのが特徴で、1つの記述の判定を間違えると、そのまま答えがずれます。知識問題なら「明らかに違う1つ」を探せば済みますが、この形式では「正しいもの」も「違うもの」も同じ精度で見分ける必要があります。
対策として有効なのは、記述を読んだ瞬間に「数値」「主語(事業者か労働者か)」「期限・頻度」「以上/以下/未満」のどこが変えられているかを探す読み方です。たとえば労働安全衛生規則の作業床は「高さ2m以上」、足場の作業床の幅は「40cm以上」、床材間の隙間は「3cm以下」です。こうした数値を根拠ごと覚えておくと、記述の改変に気づけます。
形式2:適当なもののみを全てあげている組合せ
4つの記述(多くは(イ)(ロ)(ハ)(ニ))のうち正しいものの組合せを、選択肢の中から選ぶ形式です。形式1と違い、選択肢の並びを見ると「(イ)はほとんどの選択肢に入っている」など、判断の手がかりが得られることがあります。ただし、手がかりに頼りすぎると、記述の正誤を見ないまま答えてしまいます。
解く順番は、自信のある記述から確定させ、選択肢を絞ってから残りの記述を判断する流れが安定します。確定した記述が1本あれば選択肢は半分程度に減ります。残りは「どこが変えられているか」を探す読み方に戻ります。
形式3:空欄(イ)〜(ニ)の語句の組合せ
文章中の空欄に入る語句の組合せを選ぶ形式です。工程管理の概念や工程表の種類、原価管理の用語など、「言葉の定義」を問うテーマで使われやすい形式です。空欄が4つあっても、入る語句の候補は選択肢の中で2種類程度に絞られていることが多く、対になる用語(たとえば「以上」と「以下」、「上回る」と「下回る」)の区別を知っているかが鍵になります。
| 形式 | 問われ方 | つまずきやすい点 | 対策の軸 |
|---|---|---|---|
| 数を選ぶ | 正しい記述はいくつか | 消去法が効かない | 記述ごとに根拠を持つ |
| 組合せを選ぶ | 正しい記述の組合せ | 選択肢の並びに頼る | 確定→絞込→残りを判定 |
| 空欄の語句 | 文章の空欄を埋める | 対になる用語の取り違え | 用語の定義を一次資料で確認 |
記述単位で正誤を切る練習の組み立て
公表されている過去の問題は、解いたあとに「正解の記号」ではなく「4つの記述それぞれの正誤と理由」をノートに残します。1問につき4本の記述があるので、15問で60本の判定材料になります。これを数年分やると、同じテーマで数値や主語を変えた記述が繰り返し出ていることが見えてきます。
理由は、民間の解説ではなく一次資料で確認します。労働安全衛生規則や建設業法はe-Gov法令検索で条文を読めますし、工期に関する基準や品質管理基準は国交省のPDFで読めます。「どの資料の、どの条文か」まで押さえた記述は、本番で言い回しが変わっても崩れにくくなります。
本番では、15問に使える時間を先に決めておきます。午後は13:45〜15:45の2時間で問題B 35問を解くので、単純に割れば1問あたり3分少々です。応用能力は1問に4本の判定が要るぶん時間がかかるので、No.1〜20を速めに終えて応用能力に時間を回す配分を、模擬的に解く段階から練習しておくと、焦りによる読み落としが減ります。
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3形式のうち、どれが一番多く出ますか?
令和8年度の公表問題で3形式の使用は確認していますが、形式ごとの出題数の傾向を断定できる公表資料はありません。どの形式でも4つの記述の正誤判定が土台になる点は同じです。
応用能力は過去問を解けば足りますか?
過去問は出題テーマと形式を知るうえで有効です。ただし正解の記号を覚えるだけでは、記述を入れ替えられたときに対応できません。記述ごとの根拠を一次資料で確認する作業を組み合わせてください。